Mono Ludens

モノ・ルーデンス

★PARC Audio DCU-F121K その後

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もしくは「Pへの期待」(初出:2017/02)

音楽を楽しむ材料……ここではいちおうオーディオ機器という名称を使う事にしますが……でソースが同一である場合、一番重要なのはイン側ではなくアウト側、つまりスピーカーなのだ、というのが私の持論です。
これはまあ、理論ではなく経験上です。異論はもちろん認めます。(・∀・)
なので、オーディオ機器にカネをかける場合、予算の殆どはスピーカーに費やすべき、という、今度は「理論」が成り立つわけです(注:話がややこしくなるのでこの場合は中古や貰い物については考えない)。
まあ「殆ど」といっても99.9%じゃないよね、というのは何となくわかっていただけると幸いです。
具体的にどれくらいの割合をつぎ込めばいいのか?
「予算による」
元も子もない回答をするとこうなりますね。
だって予算が1万円の人と10万円の人と1000万円の人とじゃ割合、変わって来ますよね。
具体的には予算が多ければ多いほど、スピーカーにかける割合が低くなるという感じでしょうか。

というのは、全て「既製品を買う」場合の考え方です。
具体的には、スピーカーを自作すると、予算に占めるスピーカーの割合、すなわちスピーカーエンゲル係数??が下がります。
もちろん、自作したスピーカーから出る音がゴミクズレベルだった場合は除きます。
いやあ、私が最初に作った自分で設計して自分で組み立てたスピーカーがまさに「ゴミクズ」でしたな。
スピーカーユニットは使い回しができるのでアレですが、木材(板ですが)とカット代、そしてかけた時間が全てムダだった感は一度味わうと病み付きになるので大変です。
まあ「スピーカーのエンクロージャーは精密に作ろう」と心に決めたので失敗はムダではなかったのですが、木材はムダになりました。
思えば最初に作ったバスレフ型ブックシェルフタイプの小型スピーカーが色々な意味であまりにひどい出来映えだったのもあって、ブックシェルフ型を自作しようという気にならなくなったのかもしれません。その後はバックロードホーンと密閉型、あとマトリックススピーカーを作ったくらいですね。
そうそう、「オレサマプロデュース」的なオリジナル設計もやめました。今のように便利なシミュレーターソフトもない時代ですから、シロウトの設計なんてただのバクチです。
今なら修正テストを前提に、変更(変形)可能なボルト方式で仮止めして可逆エンクロージャーを作るなんていうアイディアも持ってますが、当時はいきなりボンドとクギでガッチリ非可逆組み立てですからね。どんだけ自信過剰だったのかと……。

長くなるので昔話はこれくらいにして、昨日まで引っ張ったDCU-F121Kのユニットについて、いちおうの途中結果を得たな、と確信したので、評価を下そうかと。
「悪くないけど、やっぱりイマイチ」
ここまでは「やっぱりスペックは雄弁であり、正しかった」って感じです。
つまり「あまりバックロードホーンに向いているとは言えないユニット」というスペックの事です。
因みにバックロードホーンに向いているスピーカーユニットのスペック項目とは、

◆マグネット重量
→ 重い方がいい。
細かいツッコミはせず、この業界?では重さ=磁力と考える。要するにバックロードホーンではこのマグネットが強力(重い)なユニットが望ましいらしい

◆Qts値
→ 小さい方がいいです。
下の「最低共振周波数」に於いて、共振時間が短いか長いかを見る数値。小さいほど共振しない。バックロードホーン向きのユニットかどうかを判断する際に真っ先にチェックするのがこの項目(私だけ?)。0.4以下ならバックロードホーン向きで、0.5以下だとバスレフ向きだな、と言う感じ。問題なのはどっちにもとれる数値のもの。その時はまた別の項目を比べる事になるわけですが。因みに共振させた方がいい、例えば楽器なんかのQts値は当然高く、一般的なヴァイオリンでも30以上、ストラディバリウスになると40近いのでは? などとまことしやかに囁かれている。

◆最低共振周波数
→ 高い方がいい。
これも相対的に判断するけど75Hz以上? みたいな?

◆Mms
→ 小さい方がいい。
スピーカーのコーン(正しくは振動系全部。空気も入る)が動く時にかかる重さ。乱暴にいうと同じ口径のスピーカー同士を比較した場合、この値が小さいほどコーンが軽い、という事になります。ええ、超乱暴な意見ですが。これも相対的な判断。

◆出力音圧レベル
→ 高い方がいい。
これは1wの電力を使った時、スピーカーの前面1mの地点でどれだけ大きな音がなるか、という測定値。
つまりエネルギーが音に変換する際、どんだけのロスしているかを相対的に比較するのに用いる。
一般に「高効率なスピーカー」というのはこの出力音圧レベルが高い事をいいますな。
もっとも高い・低いは相対的な話であって○○を基準にしてそれ以上は高い、それ未満だと低いという基準地位があるわけではないのですが、バックロードホーン用のスピーカーとしてはできれば90db以上が望ましいところでしょう。

以上、簡単な用語解説でした。
あまり深いところは理解していないのでバックロードホーンに合うスピーカーかどうかを数値的にチェックするの極めて表層的なモノです。あ、あと理解が間違ってたらご指摘を。
何せ私はまわりからは理系だと思われ、かつ仕事はそっち系と言っていいこと「も」しているのですが、正確には理系じゃないんですよね。
ゼミの研究室では万葉仮名をまぜっ返しながら、
「教授、万葉集にしろ古今和歌集にしろ、源氏物語にしろ、なんで古典ってのは不倫とか近親相姦自慢みたいなのばかりなんでしょうかね? 私なんて額田王とか『恥を知れ』以外の感想が出ないんですが」
「わかってないね、キミィ。エロかインモラルなモノじゃないと後世には残らないんだよ。あとナンセンスね」
「ところでこの万葉仮名とか、読めたからっていったい何の役に立つんでしょうかね?」
「読めないに越した事は無いぞ、キミィ」
「なんで?」
「少ない方がいいんだよ。そうなると読めるヤツは先生と言われてこうやってメシが食えるだろ」
「なるほど」
などと食っちゃべってたくらいですし。
そうそう、教授のご指導の甲斐があって、万葉仮名はあんまり読めません。(・∀・)

話はもどりますが、つまりバックロードホーンに向いているスピーカーっていうのは、オーバーダンピングでまるっきり低域不足。そして高音はハッキリでるのがいい、ということになります。

クルマに例えると、「サスペンションだけダンプカーのものに換えたフルチタン製軽トラ」みたいな?
いやまあ、たとえが適切ではないかもしれませんが「使い物にならないやり過ぎ感」がなんとなくご理解いただければいいのかな、と。

限定品ではなく、カタログモデルとして普通に入手可能な10cmフルレンジユニットで、この要求を高次元で満たしているのが、自作派なら知らぬ者はいない(というかこれを知らずに自作とか片腹痛いわ、みたいな?)のが、私も今回の音の基準にしているFOSTEXのFE108EΣってヤツです。

念のためにFE108EΣについて上記の条件を羅列すると以下の通り。

マグネット重量:400g
Qts:0.3
最低共振周波数:77hz
出力音圧レベル:90db/W(1m)
Mms:2.7g

これを山岳TT(バックロードホーンの事)に於ける暫定一位としましょう。
コードネームはご存じキンタナです。

次に「わかっちゃいたけどやっぱりか~」とダメだめ出しをしたPARC Audio DCU-F121W、つまり木のコーンのユニットはこんな感じ。

マグネット重量:370g
Qts:0.514
最低共振周波数:72.4hz
出力音圧レベル:86.5db/W(1m)
Mms:5.05g

数値を見てもキンタナとはかなりの差があるのがわかりますね。
なので聞く前から(バックロードホーン用のユニットとしては)素性的に勝負にはならないだろうと予想ができるわけです。
でも「理論と実際はまた違う」ので、いちおう試したかったんです。ルックス(コーンのウッド木目)に参ったというのもあります。やっぱ、キンタナよりカンチェッラーラの方がイケメンですからね。イケメンに期待しちゃうわけですよ。
でも、エンクロージャーとの相性による天上的な音色が出るかも? というわけでもなく、ただぼんやりしたスピーカーになっただけでした。

次に使ったのがコーンがケブラーのPARC Audio DCU-F121K。
スペック的には以下の通り。

マグネット重量:390g
Qts:0.349
最低共振周波数:69.6hz
出力音圧レベル:88db/W(1m)
Mms:5.01g

ウッドのWと比べるとケブラーのKはケブラーが重くなった関係でその分マグネットが強化され、素材の特性か最低共振周波数が下がったものの、共振時間自体は大きく減り、効率もちょっと良くなったという感じです。
最初にチェックするQtsだけを見ると「お、バックロードホーン向きじゃん!」と小躍りしたくなるのですが、最低共振周波数の低さとMmsの大きさなどを見ると「あまり期待しない方がいいかも」という感じで身構えつつ効く事になります。
実際は「このまま良くなっていくとけっこうイイせんいくんじゃない?」という感じの鳴り方だったんですが、結局4日間ほど鳴らし続けても48時間あたりの音とまったく変化がないようで、「この辺が限界か」みたいな感じになりました。するとキンタナと比較しちゃって「イマイチ」というしかありません。
全域でパワーというか元気さが足りず、スポーツ好きだけどアスリートじゃない、みたいな感じの人?

という感じでトリとして残したのが、紙、つまりパルプコーンの末尾Pユニット、PARC Audio DCU-F121P。
コイツの特徴はその腹黒い……もとい真っ黒なコーンと中央のゴールドキャップ(ゴールドというよりカッパーですが)。いやあ、実にキャラが立ってますね。
というか、PARK Audioはルックスや仕上げに一定の美意識がありますな。好き嫌いは別にして私は応援しています。それに比べてFOSTEXはなんというか……。いや、好みですからね。キンタナなんかはオーソドックスながらもモードを取り入れてイイせんいってるデザインだと思います。
で、Pのスペックは以下の通り。

マグネット重量:390g
Qts:0.318
最低共振周波数:83.3hz
出力音圧レベル:88db/W(1m)
Mms:4.432g

どうです?
キンタナに匹敵、いやむしろ上回っている項目もあります。
唯一、ユニット全体の動的な重さだけは改善しているものの、それでもそれなりの差があると言う感じ。
でも、それがいい意味で個性として音に出れば、「どいつもこいつもFE108EΣ」という定番に対するアンチテーゼとなるやもしれません。ハイブリッドのプリウスばかりじゃつまんねえんだよ。オレはディーゼルのCX-3で行くぜ、みたいな?
つまり実燃費と0スタートだけはプリウスに負けるけど、走って曲がって断然たのしいCX-3、みたいなユニットなのかどうか?

ちょっと期待しております。
ええ、すみません。本日帰宅後に換装して、それからエージングって感じで評価はもうちょっとあとかな~と。
あ、画像はPARK Audioさんのサイトから拝借しました。

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